再会

別れの季節。嬉しい再会があった。
臨床美術の「オイルパステルでさつまいもを描く」というアートプログラムに参加した。会場の扉を開いた瞬間に目が合ったその人は、以前、職場でお世話になった方だった。何年ぶりだろうか。

当時、私はあまり良い状態ではなかったこともあり、こちらから声を掛ける事ができなかった。プログラムが始まって少したった頃に、彼女のほうから笑顔で話しかけてくれた。ほっとした。
その職場を去ってから、かなりの年月が経っていたというのに、彼女は当時と変わっていなかった。見た目はもちろん、太陽のような笑顔と力強い話しかた、目の奥から発する光輝いた瞳が、あの時のままだった。懐かしく、同級生に再会したような気分になった。


別れ際、彼女は「盛岡にいながら、なかなか、そう簡単に、会うことってないのよ。何か、縁があるのかもしれないね。私は、まだ、あなたの番号が携帯に入っているのよ。」と言った。彼女とは1年ほどの付き合いだったし、会わなくなって何年も経過しているのに、彼女がまだ、私の名前を携帯に残してくれていたこと、再会の喜びを感じられる自分がいたことが嬉しかった。

別れがあり、切なくなる季節に起こった出来事。寂しさが少し和らいだ一日だった。